ロボットを作る
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Beetleはロボットカーラリーに出場させるために2000年に製作したライントレースロボットです。
前方に突き出た黒い角の部分には白線を検出するためのセンサーが入っており、本体にはuITron準拠の自作RTOSを搭載し、本体上面には操作パネルが付いています。
大会スポンサーから支給される制御用ワンチップマイコンはRAMが2KBしかないため、RTOSはアセンブラで作り、苦労して500バイト内に抑えました。苦労してRTOSを入れなければならない根拠はどこにもありません。ただRTOSを使ってみたかったんです...
自宅でのテストではコースの坂を登れたのですが、実戦ではトルク不足のため坂を登れず、あえなく予選敗退でした。スピードを重視し、小型軽量のロボットにするために電池を規程の半分にしてしまったのがトルク不足の原因です。
大会に参加していた女子高生が「かわいい!」と言ってくれたのが唯一の慰めです。多分、他機と比べて小さかっただけで言ってくれたのだと思いますけど...
角部と本体カバーを外した状態です。上面はLCDと操作ボタンが付いた操作パネルになっています。
操作パネルはOHPシートの裏側にインクジェットプリンタで印刷して、それらしく見えるように作っています。
角部は衝突で壊れやすのでアーム部分を両面テープで本体底に張り付けています。こうすることで衝突時に角が外れて致命的な損傷になることを防いでいます。
側面からアルカリ電池を4本入れます。
角部の下は白線検出用の赤外線の反射センサーアレイになっています。
ステアリングはサーボモータで動かします。
グリップを良くするため、タイヤに生ゴムを巻きつけています。
駆動用モーターにはエンコーダが付いておりソフトウェアによるデジタル速度サーボを実現しています。
あ、これも必然性はありません。ただ、やってみたかっただけです...
これらの努力が、その後の技術力向上に一役かっているはず?です。と思います。
ZeroはRoboOneに出場させるために2002〜2003年製作した二足歩行ロボットです。
CPUにはSH1を使い、ラジコンの送受信機を改造したものでPDA(Palm)とロボット間でシリアル通信が出来るようになっています。
当初、無線LANによる接続を考えていましたが、以前に見た大会で無線LANの混線が激しいことがわかっていたので、安定して動作するラジコン用送受信機を使っています。
メカ設計はCADで行い。全ての板金部品をアルミ板から加工して作りました。足をスマートに見せたかったので足首と股関節はベルトドライブで動作するようになっています。
二足歩行ロボットは足首にかなりの負荷がかかります。このベルトドライブ構造が災いして、よく足首のシャフトを壊していました。
また、当時のサーボモーターは過負荷の保護が入っていなかったので、気がつくと触れないほど熱くなっていることも多く、テスト中に何個かサーボモーターを焼いてしまいました。1個7000円もするのに...
大会前日の徹夜での強化合宿で足首を骨折させてしまったため、残念ながらRoboOneには出場させていません。
ロボット上体の姿です。
頭部には赤外線の距離センサーが付いています。
胸部の出っ張りにバッテリーが入ります。
形状に凝りすぎて足首の剛性が弱くなってしまった原因のベルトドライブです。
そのかわり、足関節の可動範囲は大きくなっています。
脚部は完全に折りたためるので(正座に近いですが)スクワッドが出来ます。
脚部、腰部に関節が多いので胸が床に付く位の前屈が出来ます。
同様にブリッジも可能です。
土下座も...
LooperはRoboOne J-Classに出場させるために2004年に製作した二足歩行ロボットです。
RoboOne J-classで準優勝、アスリート競技でも準優勝を獲得しました。
残念なことにJ-class決勝戦では最後にダウンを取ったので勝ったと思っていたら判定で負けてしまいました。
後で対戦した機体が大会スポンサーメーカーの試作機だったことが分かり、なにやら大人の事情がからんでいる感じがしてすっきりしない大会でした。
尚、この時の大会の記事や動画は以下のリンクで見ることが出来ます。
第5回ROBO-ONE詳細レポート
このロボットはサーボモーター4個だけで二足歩行が出来るようになっています。
制御系はZeroと同じでCPUにはSH1を使い、ラジコンの送受信機を改造したものでPDA(Palm)とロボット間でシリアル通信が出来るようになっています。
大会規程ギリギリでどれだけ重心が安定したロボットが作れるかということに重点を置いて設計したロボットです。
通常の二足歩行ロボットでは上体の動きで重心を移動し遊客を上げ歩をすすめますが、このロボットは股間に下がった重り(バッテリー)を支持脚側へ振ることにより重心を移動し、遊脚を持ち上げます。
このため、低い重心のままでの安定した二足歩行が可能となります。また、支持脚側に重りがある時には遊脚を上げたまま、支持脚足首のサーボモーターを回して遊脚を対戦者の方向に向けられますので、素早い蹴りが繰り出せます。
脚長が長く一歩で60cm移動出来ますので、移動速度も早く出来るのが特徴です。
また、転倒した際には足裏を車輪のように使って起き上がることも出来ます。
このロボットの進行方向は構造上、左写真のようになります。
前進するときはロボットは写真右側方向にカニ歩きで移動します。当時の大会ルールではカニ歩きを禁止する規則は無かったのですが、なぜかアスリート競技の際にクレームの対象となり、最速タイムを出していたにもかかわらず準優勝となってしまいました。
後ろから見た姿です。
見た目が二足歩行ロボットらしくないので審査員の受けがよくなかったのかも...